ToC
先週の振り返りと今週の見通し
しばらく体調不良で記事かけなかったが今日から再開。
まずはイベントについて。
- CPI:予想通りの横ばい。
- PPI:上気味で反応。
- 小売:自動車、ECが弱め。
- ミシガン:期待インフレ率は上、消費者信頼感は下という、一見するとスタグフ。
- 入札:先週~先々週のまとめ。やはり24~25年は景気に対する期待が低いとみられる。
- 03m:$98.672917
- 06m:$97.388806
- 01y:$95.050611
- 10y:$99.137260
- 30y:$99.838820
先週までは、金利低下を受けてシクリカルを中心に上昇した。下がったとはいえ5年10年は4.5%付近であり、あまり安心できる状況にはない。また長らくの金余りが枯渇したとの意見もあり、ディスインフレと消費減退の間で揺れる綱渡り相場のように思われる感じだった。ミシガンや小売もそれを裏付けるような結果となっている。
金利
水曜の小売をピークに戻しておりロンガーには難しい展開。入札の1年以下が弱めなところから地合いの悪さがうかがえる。来週のFOMCで量的引き締めの減速の具体的な情報の詳細が出てくるかと思われ、インフレにとそれに関する金利の見通しが変わらないのならば無風気味で推移と思われる。ただ先だって金利がさらに低下していく場合には、利下げ時期の具体的な示唆がないことを受けやや失望気味に反応する可能性はある。アマゾンが下げていたりダウ輸送株指数が弱く出ていることから景気後退の足音は確実に聞こえ始めている状況であり、FOMCとしてはもうしばらく様子見をしたいところだろう。ここで金利を下げると株が上がり資産効果で来月以降のインフレ指標が持ち直す可能性が高い。
米株
金利が下がったからかダウやラッセルが戻していること、Vixが12付近を推移することからゴルディぽさが漂う。ただ半導体やナスがやや息切れ感があり、NVDAの決算の動きで次の価格帯が決まる気がする。NVDAはフォワードガイダンスがよいのかどうか?によるところが大きいと見られる。米株にしか資金が向かう先がない状況と言える。
日本株・ドル円
ドル円が足を引っ張るようにみえるが、上に行くと介入警戒および利上げ警戒となるものの金利差でドル円はじわじわと上がらざるを得ない。そういった状況から次の景色になるまでは、日本株にはやや重しとなるだろう。ドル円の価格帯というよりはドル円に対する解釈の変化が求められるところである。下がるなら下がるで140円台に突入しても為替トレーダー以外にとって見れば誤差のレベルだろう。その場合日本株も連れ安は免れないがどちらかというとSOXやナス、ダウへの連動のほうが今は強そうなのでドル円単独で下がっても日本株にはいうほどマイナスにならないと見る。
米国債金利が下落開始の雰囲気であるため可能性は低いが、もしドル円が更に上昇する場合は釣られて日本国際金利が1%を超えて上昇してくる可能性が出てくるため、そっちのほうが株には不確実性リスクが高くなり、方向を読みにくくなる。少なくとも円ヘッジ売りは多少は巻き戻すと見られ、釣られての株安は多少ありそうである。
総じて円安のほうが日本株には若干有利だが、円高も別に言うほど悪いものではない状況にある、少し特殊な市況とみる。
商品
BTC、原油、貴金属概ね戻しているが、ほとんど金利に対する感応度の違いが影響してると見られる。原油は減産しない国が出始めたりOPEC+の連携力の弱さが露呈しており、また米国もガス含め生産は拡大し続けるであろうことから$80前後で当面は推移か。今の原油は、ボラはありそうなもののトレンドがなく、トレード対象としての魅力はほとんどないようだ。
BTCはいつものボラの範囲であり、そうすると相対的にゴールドの強さが際立ってくる。金利低下は当然ゴールドにはプラスであるため上がるのは理解できるが、金曜はむしろ金利が上がったものの貴金属全般あがっており、かなりの買いの強さがうかがえる。利下げ開始宣言が来るときは暴騰しそうだ。
まとめ
- 株は全体的にNVDAで次の価格レンジが決まる
- 景気後退が懸念されているがいつトリガーが惹かれるのかはわかるわけもなく、Vixのわりに警戒感がある。
- 利下げとくれば貴金属やBTC、株は上昇する
- 株揚げは資産効果でインフレに寄与してしまうので、逆説的に利下げの根拠としての株下げは必要に思われる…が、カネの行き場がなく利下げ期待で下がらない状況。
- 日本株はドル円で地合いが悪く、SOXなどに振り回される状況。ロングが難しいタイミング。